
概要
日本のモンキーパークで働く
大分市にある高崎山へようこそ!ここには、とても特別な日本猿がいます。ここは普通の動物園とは違います。ここは、猿の保護地で、彼らが自由に行き来ができる場所です。
今日はここでスタッフの方と一緒に働いて、猿たちの生態や社会を近くで見ていきたいと思います。そうそう、信じられないかもしれませんが、猿たちはバナナを食べないんですよ!
午前8時。高崎山モンキーパークでの仕事の始まりです。スタッフは全員高崎山公園の制服を着ることになっています。なので、僕も着ますよ!
最初の仕事は・・・朝食のために猿たちを山から呼び、数を数えることです。
お客さんたちは、山に入ることを許可されていません。でも、今回は仕事なので特別に入らせてもらえました。
山から猿を呼び出す
山道をどんどん登っていき・・・着きました!
猿がどうしているかを確認します。スタッフの皆さんは、毎朝こうしたチェックを行なっているのです。そうこうしていると、奇妙な叫び声が聞こえて来ました。サイレンのような声です。猿かと思ったら・・・別のスタッフさんの声!他のスタッフが山のより高いところに登って吠え、猿たちの動きを報告します。この叫び声以外は、森はとても静かです。
”ここは、吠えるには良い場所です。ぜひやってみてください”
スタッフの杉本さんがそう勧めてくれたので、僕もやってみます。
”先頭だけ20匹くらいが、すでに来ているようです。本隊はまだ来ていないかな。もっとずっと呼びかけていて、やっとパラパラと降りてくるって感じです”
ーこういう音を出して、猿はどんな返事をするんですか?
”う〜ん、クワッ、みたいな。高い声に昔から反応するんです”
ー猿は毎日、山に帰るんですね?
”山に帰ります。山で暮らしているので”
猿たちは、夜は木のたくさんある山にいる方が安全だと感じます。そして、毎日やって来ます。ラジオを通して、猿たちがゆっくり降りて来ているとの連絡がありました。
僕もあの”クワッ”という声を出して、猿を呼びます。人間ぽい声を出してしまうと、人間だと気づかれてしまうため、違った風にしなくてはいけません。
・・・猿が少しづつ姿を現しました!どんどん数が増えていきます。
ボスザルの1匹が来て、危険がないことを知らせます。地面を歩いて来る猿もいれば、木から木へとジャンプして来る猿もいます。母猿の背中に乗って来る子猿も。
猿たちを一緒にいさせることも大切な仕事です。近くの畑に行かないようにするのです。猿たちは、かつて朝食のために街にやって来ていました。農家の方々は彼らが来なくなったことに喜んでいます。
マカク猿について
大分は、日本のマカク猿が住む場所の1つです。マカク猿は、日本古来の猿なのです。また、彼らよりも北に住む霊長類がいないため、スノーモンキーとも呼ばれています。
日本のマカクは、寒さの王様です。彼らはマイナス20度でも生きることができるのです。
平均的な寿命は野生で約6年、保護されていると約28〜30年です。
日本猿は日本の民話にも登場し、敬意を持たれていますー恐らく、農家以外から。だからこそ、この公園が存在しているのです。この公園は、第二次世界大戦後の1952年、食料が不足した時代に開園しました。人間と猿が調和を取れるように距離を置いたのです。
ここには約1200匹の猿がいます。高崎山の猿の群れは、世界でも最大規模です。
そして、この公園は猿にとっても、人間にとっても、家族に優しい場所です。
餌の時間
餌の時間です。1日に数回、スタッフがバケツいっぱいの大麦を準備します。
遅刻は許されません。猿たちは、餌の時間を正確に把握しているのです。
”バケツを持って、餌を広く撒いてください”、杉本さんが教えてくれました。
”ダマになったらダメですよ!”
ベテランのスタッフの方の動きはとても早いです。初めての僕は同じように動くのは難しい・・・。
”猿たちが集まって来てから撒きます。そうでないと、出遅れた猿がお腹をすかせて農家へ行ってしまうので”
餌まきをしようとしている僕たちの足元で、ちょこんと座って待っている猿(名前はゴロウ)もいます。
僕が餌を撒き出すと・・・猿同士で何か会話が始まりました。彼らは、僕がいつも来る人と違うことを分かっているのです。
ボスザルに対して敬意を払うために、そこだけ餌をまとめてあげました。これによって、猿たちは混乱していましたが、僕は仲良くなりたかったのです。
スタッフの方々のように猿のことを知るには時間がかかります。時々、彼らに違ったように餌をやることは、争いを引き起こします。社会にはルールがあるのです。
餌は大麦だけではありません。夕飯である、サツマイモカートレースの時間がやって来ました。サツマイモがたくさん入った大きなカートを引いて、スタッフが走り出します。カートの後ろの部分は柵がなく、そこからイモがコロコロと転がっていきます。一気に猿たちがイモを求めて集まります。まるでライブ会場の最前列のよう・・・なかなかの光景です。
猿たちはイモを掠め取ったら、ささっと隠れます。大きな相手が自分のイモを掠め取ってしまう前に。
人間と猿が気持ちよく共存する場所
この公園は、都市のように、都会的なサービスが提供されます。ゴミを処理するサービスもあります。この公園の義務の1つは、人間と猿が仲良くできる公の場所を提供し、守ることです。
ここは、訪れた人々に、野生のニホンザル社会を見る機会を与えてくれます。自由に歩き回りながらね!公園内には看板があり、そこには”餌を与えない””からかわない””さわらない””目をのぞき込まない”という人間に対してのルールが書かれていました。社会はルールがあります。
猿が足の間を走り抜けると、幸運が訪れると言われています。なので、たくさんの訪問客が足を大きく開いて、それを試していました。
働き始めて数時間がたったんですが、猿たちそれぞれの個性が少しづつ見えてきました。
何でしょう、しばらく経つと彼らはもう猿ではないんですよね。友達のような感じです。
猿の生態
杉本さんに、公園の成り立ち、どうしてこの仕事を始めたのか、なぜこの場所が存在するのか?などを聞きました。
”もともと高崎山に猿が住んでいて、それが戦後間もない頃から畑を荒らすようになったんです。人間も食べ物がない時期なのに大変なことになって、農家の人々が困ってしまった。そこで、猿が畑の方に降りていくのではなくて、逆側であるこの公園側に呼び寄せることで、作物被害防止と、ついでに観光地もできないかな、と。そこから始まった動物園です。
私は、前は猿が畑のある側へ行こうとしたら、公園側へ追い込む係でした。それを通して、山の中で猿がどんな生活をしているかも見ることができました。
この公園内では穏やかですが、山の中だと犬に食べられている猿も見ました。彼らは、群れを守り合いながら、ここに来てくれているんです。ここに来るのは当たり前じゃないんだな、と感じました。色々勉強させてもらいながら、今私はここにいます。
ここにいるのが、600匹いるB群。あと、山中にはC群という588匹の群れもいます。B群が完全に強いので、その動きを回避するようにCが動いています。Bが来ない時は、Cがたまに顔を出してくれる感じです”
ー群れ同士でケンカをしますか?
”最近まで、Bが来るとCが怖がって逃げていたんですが、2018年の3月に大きなケンカが久しぶりにありました。
C群が朝にここにいて、B群が12時からゆっくり降りてきたんですね。雌猿がBが来たのに気づかずに岩の裏で餌を食べていたんです。そしたら、Bの先頭に来た雄が、その雌を噛んだんです。「俺たちが来たんだから、帰れ」って。
その雌が逃げ出して、仲間のところに行きました。いつもBが来たら逃げるのに、仲間が噛まれたら、CがBの前に出てきて、戦いになったんです。
その時は、Bが先頭の200しか出ていなくて、ナンバー3のゴエモンと、ナンバー4のラルフ、そしてあまり偉くない雄の3匹しか雄がいませんでした。
でも、Cは仲間を噛まれた怒りで勢いがあって、久しぶりにCが勝つのか、という勢いだった時に、Bのナンバー1ボスが突っ込んできたんです。
一気にCの中心に突っ込んだら、Cが引いてしまって。Bのナンバー1は、年を取っていますが、すごいです。年を取っている雄はケンカが上手ですね。
Cのナンバー1は若いんです。Cのナンバー1は、直球勝負ですが、Bの方は最初は突っ込むんですが、その後右に左に回り込んだりして、とにかくすごいんです!”
横っ腹を突く戦い、これはまるで人間の軍隊の攻撃のようです。
ここの素晴らしいところは、猿たちが普段山に住んでいて、好きな時にやって来れる、ということです。この仕事は猿への大きな愛が必要だと思いました。
■引用元
海外の反応
・これは真面目なお猿ビジネスだな。
・なんて素晴らしいビデオ!日本のマカク猿について、すごく勉強になったよ。
・まさに、裏側を見たって感じ。猿の戦いの術が面白いって思った。うちの子達にも見せたいな。
・彼女が軍団BとCについて説明してる時、なんかヤクザアニメとか反抗的な高校生漫画のようだと思ってしまった。
・この猿の戦いの話・・・漫画で読んだことがあるような内容だね。
・そういえば・・・モンキーパークに行った特に、アイスクリームを取られた思い出・・・。
・猿の戦いやサツマイモワゴン追っかけ・・・ブルース・ウィリスの映画みたいだった!すっごく楽しんだよ。
・おおっ、日本の森は本当に美しいね。
・この動物園の始まりについて知ることができて良かった。人間と猿の掛け合いが安定しているのも良い。
・猿と言えばバナナって言うのは古い思い込みだね。
・日本の美しい風景を見せてもらった。なんて美しい国なんだろう。
・貴重な猿の種が守られているのも素晴らしいし、彼らが自然の中と同じように暮らせていることも非常に良いことだと思う。世界中にこういう場所が必要だね。日本は素晴らしいな。
・とっても興味深かった。ありがとう!九州旅行を計画しないと・・・。
・このビデオにある調和的な空気が大好き。人間が自然を扱う最高の方法だよね。殺す代わりにさ。彼らは猿の聖域を創り出している。ここのスタッフの方々に最高の敬意を。
・こんなのこれまでに見たことないよ。たくさんの猿が、おじいさんと、サツマイモがたくさん入ったカートを追っかけてる。最高だわ。
・猿社会って、こうやってできてるんだね。とても面白かったよ。
・日本の農家がマフィア猿から農作物保護に成功しているのは、賢いな。
ひとこと
大分は39パスというバス乗り放題チケットのおかげで福岡から安くアクセスできるため、韓国・中国からの観光客多いんですよね
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コメント
だから最近東南アジアや台湾の人が多いのか
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