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概要


日本のフェイクファミリー産業の裏側


日本において、孤独が重大な社会問題になっていることをご存知ですか?

そして、家族をレンタルするサービスがあることを。


最近、アメリカのコメディアンであるコナン・ブライアンが、自分自身が家族をレンタルする、というビデオを作成しました。とても面白いので、ぜひ見てみてください。


私たちは、もっと深く掘り下げ、実際にこの産業がどのように動いているのかをいきたいと思います。



レンタル家族会社CEOにインタビュー

綺麗なビルの1室。インターホンを押すと、スーツを着た男性が出迎えてくれました。

”初めまして、イシイです”

彼に案内され、会社の中に入っていきます。壁には、FAMILY ROMANCEの文字が。


”イシイ・ユウイチです。ファミリー・ロマンスという会社のCEOです。我々は、家族のメンバーや友達のレンタルを提供しています。困っている人の手助けをする、という感じです。このサービスを始めて、今年で9年になります”


ー海外の方で、なんでこんなサービスがあるかわからない、そもそも理解できない方がいると思うんですが。どうして、日本ではこういうサービスを求めている人たちがいるのでしょうか?

イシイ:日本人って、他者を気遣ったり、敬う気持ちがとても強くて、それが本音を言えないことに繋がってしまっています。だから、友達をレンタルすることで、なんとか形を作っていたり、その場をやり切ったりしています。


ーなぜ、家族のレンタルが必要なんでしょう?

イシイ:実際にレンタルされる方々には、様々な理由があります。例えば、結婚する際に両家の挨拶が必要になったけれど両親とは絶縁状態で来てもらえない、そういう時に挨拶、そして結婚式に両親をレンタルして来てもらう、とか。

あとは、出産立会いの時に一緒に行ったりとか


ーえ、知らない人ですよね?レンタルの方って。

イシイ:ええ。でも、第三者から見ればリアルですね。


ーどうやってこのお仕事を始めたんですか?きっかけはありますか?

イシイ:13年前、24歳の時の話です。シングルマザーの知人女性がいるんですが、彼女が娘さんを私立幼稚園に入れたかったんですが、片親ということでどこの幼稚園も受け入れてくれなかったそうです。その話を聞いた時に、レンタル家族というアイディアが浮かびました。それによって、社会の穴埋めが少しでもできれば、と。


ー石井さんは、運営側なんですか?それとも、レンタル家族をしたりもするんですか?

イシイ:僕自身は、今もレンタル夫、レンタルパパをやっています。何故かというと、利用していただくと単発では終われないことが出てくるからです。家族としての責任感もあって。


リピートされる方もいますしね。9年間リピートされている方もいます。その方は、当時小4の娘さんが不登校になってしまい、そこで彼女のサポートをしてほしいと、レンタルパパとして雇われました。娘さんは学校へ行くようになって、今は19歳で専門学校に通っています。彼女は、まだ僕を本当の父親だと信じています。

そういうご家庭が25家族あります。


ー情が入ったりしないんですか?

イシイ:帰らなくてはならないというのがビジネス上ルールにあるので、帰ろうとするといつも(子供から)泣かれたり抱きつかれたりします。もちろんビジネスなんですが、こちらも悲しい気持ちになります。


ーこれがサービスだったって見つけられた時は・・・怖いですね?どれだけ傷つけてしまうのか・・・。

イシイ:僕自身、メディアに出ることが多いので、お子さんが僕を見てしまう可能性はあるんですが。その場合も、僕は代行でファミリーロマンスの社長・石井を演じているんだよ、と言います。


レンタルパパ、レンタル夫などになる場合は、お客さんから”こういうパパ、夫であってほしい”ということの細かいオーダー表をいただくんです。それに基づいて演じるんですが、お客さんからするとそれが理想の家族に感じてしまって、プロポーズされたり、ずっと一緒にいてほしい、とお願いされることも結構あります。


ーオーダー表に書く内容は、その人の理想の人ですもんね?それになりきってくれる人がいたら、好きになっちゃいますよね。

イシイ:そうなんです。お客さんからしたら、心地よくなるんですよね。お金を払っているけど、お父さんが来てくれている、という感じになってしまうんです。


ーその人たちのことを放っておけないと思ったら、結婚もできなくないですか?

イシイ:そうですね、今も独身ですけど・・・これまで200人以上の人のプロポーズを断ってきたんです。


ー1人も受け入れようと思わなかったんですか?

イシイ:もちろん、揺れてしまいますが、立場上しっかり断らないといけない。


ー働いている側とお客さんが、実際の家族になってしまったことはありますか?

イシイ:中には結婚をされた人もいます。レンタル夫をしていた男性が、お客さんと結婚しました。

僕個人の意見としては、仕方ないと思っています。会社としては、ダメですけどね。


ーレンタル家族はおいくらくらいですか?

イシイ:4時間で2万円です。それ以上利用したい人は、1時間あたり追加料金5,000円となります。


ーレンタル家族として働いている方は、全国で何人くらいいますか?

イシイ:約2,000人です。副業感覚で登録されているサラリーマンの方、専業主婦の方もいれば、定年退職された方々もいます。下は0歳から上は85歳までいますね。


ー0歳でレンタル家族に登録できるんですか?

イシイ:赤ちゃんが必要な方もいらっしゃるので。赤ちゃんを直接雇うのではなく、お母さんが元々スタッフで、子供が生まれたから、子供も登録した、という感じです。


ーお母さん、心配じゃないんですかね?

イシイ:もちろん、赤ちゃんを借りるというのは限られた場面しかできません。そして、親が付き添うことが多いです。


ちょっと悲しくなる話ですが、余命数カ月のお父さんがいて、依頼主はその娘さんでした。お父さんとは絶縁状態で長い間会っていなかったそうです。その理由は、お父さんが反対している人と彼女が結婚したからでした。

お父さんは余命数カ月になって、娘の産んだ子供が見たい、と言ったそうです。ですが、実際その時娘さんは離婚をしていて、お子さんも旦那さん側に親権を渡してしまっていた。娘さんは、真実を告げるよりも、赤ちゃんをレンタルすることで、お父さんを安心させることを選んだのです。


ー依頼主の方は、レンタル家族の従業員の方々と身体的にどこまで関わるんですか?

イシイ:手を繋ぐまではOKです。それ以上はできないようになっています。手を繋ぐことが多いのは、レンタル恋人ですね。ただ、小さい子供にせがまれて抱っこする、というのは全然OKです。


ー中学生の娘さんが、パパ抱っこして、はダメですか?

イシイ:度合いによるんでしょうが、基本的には大丈夫です。感情の違いですよね。恋人としてなのか、親子としてなのか。


新郎代行をする時もありますよ。嘘の結婚式を訳あってしなくてはならない人が世の中にはいるんです。


ーどんな理由ですか?

イシイ:例えば、すでに結婚をしてしまったが、相手が刺青がたくさん入っていて、とても親には紹介できない、だから代行で、ということがありました。

その時は誓いのキスがあったんですが、実際のキスはせず、キスしているように見せました。新郎代行は、来年の3月で8回目ですね。


ーファミリーロマンスは、こうした社会問題にどのように対処していると思いますか?

イシイ:60代の男性の顧客で、妻に先立たれ娘と絶縁状態で、家族の暖かさをもう一度味わいたい、という方がいらっしゃいます。彼はレンタル妻と娘を利用されています。彼は、彼の孤独を埋めるだけではなく、絶縁している娘に本当は謝りたいそうです。自分の罪の重さを感じて、なかなか前進できないそうです。



レンタル家族の利用者へのインタビュー

ーこれから一緒にその男性のお宅へ伺います。

レンタル妻と娘と、男性が鍋を囲みます。みんなでビールで乾杯です。和気藹々として食事と会話を楽しんでいます。


男性にインタビューをしていきます。

ーどうして、このサービスを利用し始めたんですか?

男性:妻に先立たれて、子供たちが出て行って、ひとりぼっちになってしまった。子供達の連絡先も知っているけど、連絡しづらいし、向こうからも連絡してこない状態なんです。


ーどうしてそうなったんですか?

男性:妻が病気になった後、世話のために仕事をやめました。最初は食事を3食作って世話をしていたが、どんどん疲れてしまったんです。下の世話とか、食事したら吐いたりとか、しんどくなって・・・病気の妻にひどいことを言ってしまったんです。

”なんで病気になったんだ””お前のせいで会社をやめたんだ”・・・と。

その時、娘は僕のことを非常に怒っていました。彼女自身は就職したばかりで、夜も飲み会で遅いし、当時の僕の意見としては、娘も息子も母の面倒を見ないじゃないか、と。それを実際に言い合ったりして・・・。

そういうことに嫌気がさして、彼らは出ていきました。


ーサービスを利用して、(実際の子供達に)連絡してみようかな?という心境の変化はありましたか?

男性:前回、レンタル娘と”ご飯を食べに行こう”と話をしていた時に、彼女が”今度は、本当の娘を誘ってもいいかもね”、と言ってくれた。その時に、意地を張らずに彼らに連絡してもいいのかなあ、と思ったんです。僕としては、やはり、まだ子供達とここで一緒に暮らしたいという気持ちもあるし・・・。まだ一歩は踏み出せていないですけどね。


ーレンタル妻と身体的にもっと近づきたいと思ったことはないですか?

男性:それはないですね。


ーぎゅ〜とかも?ぎゅっと抱きしめたい衝動にかられることもありますよね?

男性:それは、ありますよね。帰る時に、ハグしたいな、とか。そういう時は、我慢、我慢・・・我慢なのかな。握手はしているよ。


あ、でも、帰る時も、”今日はありがとうございました”という感じではなくて、”買い物行ってくるね”と言って帰って行くんですよ。まるで、またすぐに帰ってきそうな・・・。とても自然ですよ。


ー今、どれくらい幸せですか?

男性:全然幸せじゃない。今は・・・子供達に謝ったら、許してくれて、またここでみんなで食事ができるのかな、とか、そういう期待感を持てるようになったかな。

だから、どん底の時よりはちょっとマシかな。



日本家族の抱える問題とは

ーここから、再度、石井CEOへのインタビューです。

ー日本の家族の直面する、一番大きな問題は何だと思いますか?

イシイ:コミュニケーション不足だと思っています。両親が共働きだったり、時には片親だったり、子供達の夕飯が1人だけだっり、兄弟だけだったり、そういう環境が増えている。

なのでコミュニケーションが不足していて、言いたいことが言えなくて、結果、本当の親よりもレンタルする親を求めるという。


メッセンジャーやラインを通して家族とやり取りするのはとても便利なことですが、そうではなく、せめて電話をしたりして、声を聞くことで信頼関係を築いて、本当の家族の大切さを感じてもらう、というのも必要なのではないかな、と感じています。



■引用元



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海外の反応


・このビデオは、家族を持つことがとても基本で必要だけど、人によってはとても難しい注文だと言う皮肉さを伝えている。





・この家族レンタルの会社は、ファミリーセラピーを展開すべきだと思う。サイコロジストは否定的に見られることもあるけど、ちょっとイメージを変えるといけると思う。





・このレンタル家族は、少しづつ顧客が彼自身の家族と連絡を取るように促しているように見える。もしも、これがこの会社が従業員たちにそうするようにしていることなら、セラピー的なサービスになる可能性があるね。





・おおお、この子供達が成長していく中で、彼を本当のお父さんって思うなんて、カオス・・・。





・孤独を解決する天才的なアイディアだね。でも、同時にとても絶望的なアイディアでもある。





・19歳の娘が彼をお父さんだと信じているって言った時、本当に悲鳴をあげてしまったわ。嘘は永遠につき通せない、彼女は真実を知った時に、きっとショックを受けると思う。





・嘘の家族が去った時、その人は孤独に戻るのね。





・とても興味深いわ。





・すごく悲しい・・・。





・彼は200のプロポーズを断った。僕もそんな悩みが欲しい。





・待って、なんなの!??19歳の娘は、彼が父親だって信じてるの????このビデオ、彼女が見たらどうするのよ!!!





・なんか、トゥルーマン・ショーから出てきたみたいだね。





・僕にとって、誰かがある関係を装っていて、それを心地よく思うって、すごく変なんだけど・・・。こんなサービスが必要とされるなんて、なんか悲しいね・・・。





・日本の自殺率が高いのも納得だね。たくさんの嘘と憂鬱が人生にあるんだと思う。日本における嘘の彼氏・彼女サービスについてのドキュメンタリーを見たところだけど、今度は家族全体が嘘とか・・・。





・出てきた家族は、本当の家族ではないのかもしれないけど、うちの嘘だらけの家族よりも、もっと愛を感じた。



ひとこと


すげー商売があったもんだ・・・


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