概要
日本のきのこ
日本には5,000種類のきのこがあります。ビタミン・ミネラルが豊富でローカロリーなきのこは、健康的な食品であり、日本の食卓ではおなじみの食材です。
きのこは植物ではなく、菌類です。日本は湿度が高く、70%は森林で覆われています。そのため、きのこの育成に適した場所なのです。世界には20,000種類のきのこがあり、その1/4が日本に生息しています。約70種類のきのこが日本では食べられています。日本で見つけることのできるきのこをいくつか紹介していきましょう。
松茸
王道は、松茸でしょう。日本の人々はこの独特な香りと味が大好きです。松茸は栽培をすることができず、ほとんどが野生のものとなります。その希少さから、価格が高く、なかなか簡単に手を出せない品です。
松茸は、日本アカマツの森の乾燥した土地のみで育ちます。松茸はアカマツとそれぞれ栄養分を交換することによって、共生しているのです。この独特な生態は、人工的に真似することはとても難しいのです。
豊かな香りを楽しめる土瓶蒸し、食感を楽しめる焼き松茸など、様々な楽しみ方があります。日本人で松茸を嫌いな人を探すのはなかなか難しいのではないでしょうか。
椎茸
日本で最もよく食べられているきのこです。枯れた広葉樹のもとで育ちます。椎茸を育てる技術は確立されており、流通している椎茸のほとんどは栽培されたものです。
椎茸の胞子がつまったものを、木に打ち込むことで、栽培をしていきます。木の栄養を吸い取って椎茸が育ちます。万能選手の椎茸は、焼いても、煮ても美味しいため、様々な料理に使われます。
薬用のきのこ
薬用の用途として、古くから使われいるきのこもあります。冬虫夏草などがその代表です。また、固いことから、薬用だけでなく、装飾品としても使われるものもあります。
光るきのこ
八丈島は、東京から300km南にある島です。1年を通して湿度が高いヤシの森では、ちょっと変わった、そして素晴らしいきのこが育ちます。ヤコウタケは、初夏から秋にかけて倒木の上に育ちます。日中は普通のきのこに見えますが、夜になると暗闇の中で傘とひだの部分が光ります。5,6個のヤコウタケがあれば、新聞の文字が読めるほどの明るさになります。
また、エナシラッシタケは、2~3mmの大きさで落ち葉の上に育ちます。夜になると光り出し、その様子はまるでたくさんの小さな水玉が光っているかのようです。
世界には40種類の発光するきのこがあると言われており、そのうち7種類が八丈島に生息していますが、その理由は謎のままです。
現在、この光るきのこは八丈島の観光目玉となっています。
きのこはどこにいる?
きのこ狩りの専門家である西牧さんによると、落ち葉のあるところや、腐朽した木の幹で見つけることができます。きのこを取る時は、茎の部分を持って優しく取りましょう。根の部分は取って、土に埋めておくと、また来年も芽を出します。赤かったり、良い見た目のきのこは毒きのこなので要注意です。
日本におけるきのこの歴史
きのこと日本人の繋がりの始まりは、先史時代にさかのぼります。18年前、秋田県できのこの形に作られた粘土が見つかりました。考古学によれば、4,000年前に作られたもので、神によいきのこを収穫できるように祈りを捧げるために作られた、とされています。
8世紀から、きのこは秋の珍味として称えられてきました。日本最古の詩集である万葉集に、”松茸から素晴らしい香りがする”との記載があります。昔から、きのこ狩りは日本の秋の楽しみで、その喜びを詩に書いているのです。
13世紀頃、日本では仏教の禅宗と共に菜食主義が広がりました。肉や魚を禁止する厳しい寺院では、きのこがとても重要な役割をしていました。椎茸は具にもなり、出汁も出ることから、とても重宝されました。
17世紀に入ると、きのこはより多くの人々に食べられるようになります。平和な時代であり、料理の文化が広がったのです。17世紀後半には、本朝図鑑という料理本が出回り、そこには松茸、椎茸などの9種類のきのこが記録されています。また、きのこは狂言の題材にもなっています。
きのこ料理
きのこづくし膳を出してくれるお店にやってきました。
きのこ汁、松茸の土瓶蒸し、焼き松茸、松茸の混ぜご飯、刺身、しめじの天ぷら、しめじのマスタード和えが用意されています。松茸の刺身は初めてですね。醤油とわさびと松茸の香りが重なりあって、とても素晴らしいです。しめじのマスタード和えも面白いです。これはまた食べたい一品ですね。
”日本では、松茸は香り、しめじは味を楽しむ”と言われているそうです。なので、それぞれを生かしたレシピが使われます。
松茸の生産量増を目指して
50年前、日本における松茸の生産量は5,000トンでしたが、現在では100トンへと激減しています。人々は、なんとか生産量を増やす方法はないかと模索をしています。
岩手県岩泉町には、20,000ヘクタールのアカマツの森があります。日本でも最大規模のものです。以前は、ここでたくさんの松茸が収穫されてきましたが、1960年半ばにその収穫量が激減します。また同様に地元産業も衰退し、地域は厳しい状況に落ち込むこととなります。
23年前、岩泉町は、松茸を中心に据えた町おこし計画を発表し、松茸研究所をオープンさせました。なぜ収穫量が減ってしまったのか?研究者はアカマツの森で生い茂っている広葉樹に注目しました。
昔は広葉樹は成長途中で切られ、木炭にされてきたため、ここまで成長することはありませんでした。岩泉町は木炭産業でも栄えていましたが、日本の高度成長に伴い、木炭に対する需要は減り、衰退していったのです。
そのため、広葉樹が急速に成長してアカマツを覆うようになり、松茸に栄養分を与えるアカマツの生命力が落ちていきました。また、広葉樹の落ち葉からできた腐葉土にいるバクテリアは、松茸にとって自然界における天敵です。
これらの理由によって、松茸が育つ土壌は失われていったのです。
この研究結果に従い、町の人々は広葉樹の木を切り、落ち葉と腐葉土を払いました。研究者たちと地域の力によって、2003年の岩泉町における松茸生産量は6トンになりました。これは14年前の3倍の数字です。そして、松茸の質も素晴らしいものになりました。
きのこの栽培
日本では、30種類のきのこの栽培をしています。あるきのこ農家の様子を紹介していきます。
おがくずと米ぬかをあわせて容器に入れ、そこにきのこの胞子を入れておくと発芽をし、容器いっぱいへと成長していきます。十分に成長したら、容器を別の部屋へ移し、水分を与え湿度を保ちます。
すると容器の口の部分から成長したたくさんのきのこが顔を出すのです。きのこの種類によって適した湿度が違うため、それぞれの部屋があります。例えばなめこの部屋では湿度はほぼ100%となっています。
新しい栽培方法
福島県のあるもやしの生産者は、サイドビジネスとして、ヒラタケも栽培しています。これらは同じコンディションで生産をすることができるからです。また、もやしをヒラタケ栽培時の栄養源として利用しています。もやしは栄養分が豊富なので、もやしを床として育ったヒラタケは濃厚な味わいで、人気となっています。
電気ショックときのこ
九州大学付属の農業研究施設では、世界のいくつかの地域で、雷の嵐の後きのこが育つという伝説があることから、雷ときのこの関係について研究を進めてきました。
研究の結果。きのこの菌床に人工的に30,000ボルトの電気ショックを与えた時に、きのこが20%より多く育つことがわかりました。また電気ショックを与えたきのこの方が大きく育つ、という結果も出ています。
研究者は、電気によってきのこが刺激され、ラッカーゼと呼ばれる酵素が増加することが理由だとつきとめました。このラッカーゼがきのこが実を結ぶ時に重要な役割を担うのです。
2006年にはこれまで研究所内で利用していた電気ショックを与える機械を外に持ち出せるように開発しました。これによって、野生のきのこに刺激を与えることができるようになったのです。
■引用元
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海外の反応
・きのこ大好きな私にとって、日本は天国だわ!!アニメじゃなくて、きのこグルメに主眼を置いた日本旅行を計画しなくっちゃ(笑)
・お腹が空いてきた・・・きのこ鍋が食べたくなったーーー!!!
・日本の持つ豊かな歴史と文化を尊敬しているよ。そして、日本のきのこ生産者の人々にも敬意を表したい・・・本当に素晴らしい仕事をしているよね。
・きのこラバーの俺には最高の内容だった!
・日本に行く理由が1つ増えた!!!
・知らないことだらけだった・・・!興味深いね。
・きのこ最高だよ・・・俺はきのこが菌類だと知っていても・・・それでも食べるのを止められない・・・。美味しすぎる!!!
・きのこづくしのレストランに行ってみたい!どこにあるんだろう?
・松茸って、共生じゃなくて寄生してるんじゃないの?木や土から養分を吸い取ってるんだから。
・↑ 松茸は、死んだ木に生えるんだよ、生きてる木じゃない。だから、松茸は木が土に返るお手伝いをしてるんだ。
・素晴らしい内容だった。勉強になったよ。
・電気ショック!??それできのこが成長するなんて、面白いねえ。
・きのこが大好きだから、とても興味深かった!
・日本人はきのこのより強い味を楽しむために焼いて食べるんだね。僕はきのこの味が強すぎると感じるから、グリルでは焼かないよー。
・内容は面白いんだけど・・・僕はきのこが苦手なんだよ・・・。
・きのこの味は全然好きじゃないけど、きのこ狩りは大好き。集めるの、楽しいよね。
・これを見る前に、きのこの育て方の番組を見てたんだ。そして今・・・真剣にお腹が空いてきた・・・!
ひとこと
しられざるキノコ情報が盛りだくさんでした
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コメント
他の国ではそうでもないのか
寄生じゃなく共生とされている
それ。息子にも教えないってんだから田舎の人はよくわからない
主に調べているのが日本に比べたら乾燥地帯である欧州だからだよ
日本は周りが海で大陸が近くにあることで東西の寒暖差が大きくなり
季節風が常時吹く、その風が海の水蒸気をたっぷりと運んでくる
プレートの圧縮で中央に山脈が走ってる、運ばれた水蒸気は否が応でも
上空に行き高低差により冷やされる、ゆえに雨が嫌と言うほど降る
しかも冬ぐらいしか零下にならない地域
キノコや植物にしてみればなかなかの天国なんだよ
キノコと同じカビにしても天国なんだがな
きのこってのは1箇所で取れる量がごく僅かで、自分以外が取り出したらあっという間に取れなくならから誰にも教えない。きのこを換金してる人だと死活問題からだね。そして、秘密ってのは知ってる人が多いほど漏れやすくなるもんだから、自分が山歩きできる間は子供にも教えない。ごく単純な話です。
ほほう、良い事を聞いた
自分ので今度試してみよう
言葉のままの意味じゃなくて情報漏洩の戒めだよ。本当は身内には教えても良いんだけど、教えた息子や孫から他人に漏れるかもしれないからね。昔は一族の生死に関わる事だったんだ。今でも勝手に取って行く人が沢山いて困ってる位。
日本人があまりに有能だから日本国内のきのこを調べつくしたってだけの話
普通に考えて世界のきのこの1/4が日本にあるはずが無い
アマゾンを調べつくすだけで5万種類は出てくるだろう
あれは稲妻、落雷が多いと農産物が多く採れたことに由来?している。
太古の昔に、既に気付いていた人がいたとは驚き。
しいたけ、しめじ、まいたけ、えのきが好き。
食えるかどうかわからないってのが大多数
あと食えるけどまずいから食用外ってのもかなり多い
それまではスーパーや八百屋に並ぶのはまれだったらしい
シメジやマイタケは約40年ほど前、わしが小学生の頃には八百屋にあったぞ
エリンギですら30年ぐらい前に「マツタケの代用品」として食べてたわい。
本シメジや平茸ではないマイタケは今も都会ではほとんど出回らないけどな
採取する時のサンプルだよな。
「こんな形のキノコを取ってきてくれ」
だったら、口で説明するより粘土で作った方がいい。
そこで、稲の妻と書いて稲妻
また、雷という字は雨に田んぼの田と書く
米は雷と深い関係があるのだ。by笑い飯
それツキヨタケや
有能っていうより、
食に関するこだわりが強いが故のって気がしないでもない。
それ以上に毒キノコも多いだろうな。
でも天然で食用に向いてるキノコの生えてる量は少ない気がする
ヨーロッパの森とか毎年少しづつとる場所を変えるだけで、バケツいっぱいとか採りに来た人みんなが取れるくらいキノコがいっぱいの森とかあるから
日本と比べて人口が少ないせいもあるだろうけどね
日本ってそこまでは自生はもう多くない気がする
全国的にはそうかもそれないけど、地域によると思う
昔から知られたキノコでも最近になって流通が急に多くなったのは人工栽培技術が近年にできたからだと思うよ
きのこの山が最強って証明されたな
そういえばジコボウの味噌汁を何年も食ってないなあ。
あれ旨いよね。
今の日本「松茸うますぎワロタwwwwwww椎茸?一山いくらの庶民食やな」
安定した栽培(養殖)が可能かどうかって本当に価値に大きな変動をもたらすよね
ホクトが大量生産する前からエリンギ食ってたなんてずいぶん物好きなんですね
そもそもエリンギって日本に自生してないから、当時は知名度なんてゼロに等しかったんですが
近所で試験栽培でもやってたんですか?
まさかこれが遺言になるとは誰も思っていなかったのだ。
それなのに、食えるのと食えないのとを分類した、大昔の人間の食欲よ
しょせん菌だからなアイツら
むしろ食える方が例外的なんだ
本当に昔の人に感謝
このシメジってお前らが普段食ってる安物のブナシメジのことじゃねぇからな?
香りよりも美味しさを取ってるんだとか言うやつはちゃんと本物を買え
鮭に塩胡椒してアルミホイルに乗せマイタケをちぎって散らし、バターを乗せてホイルで包んだらトースターで10分ほど焼く
熱々をお好みでポン酢やレモン醤油で頂く
簡単なわりにマイタケの出汁が効いてて美味しいよ
ちなみに春の風物詩は、タラの芽と漆の芽を間違って食べて口から食道までただれて病院に搬送されること。
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