海外「日本と中国が主導者だ」世界最速レベルのスーパーコンピュータに対する海外の反応

2017年09月17日

カテゴリ:
技術

概要

日本、これまでで最速のスーパーコンピューターを開発

日本は現在世界で最も速いスーパーコンピューターを製造しており、成功すれば日本は人工知能研究において新しいグローバルハブとなる見込みがある。

スーパーコンピューターは130ペタフロップスの速度で動作することが予測され、つまりこれは1秒間に130兆という驚愕の計算を行うことが出来るのだ。

完了すれば（目標日程は2018年4月）、この「アルブリッジングクラウドインフラストラクチャー（ABCI）」は世界で最も優れたスーパーコンピューターということになり、暫定一位、93ペタフロップスで動作する中国の「神威太湖之光（Sunway TaihuLight）」を抜くことになる。

何がコンピューターを「スーパー」にするのか？

ABCIにはマウスもスクリーンも存在しないが、パーソナルコンピューターと大幅に変わることはない。ただ性能が良く、スピードも速く、あとはとても、非常に大きいというだけだ。

「現在のスーパーコンピューターシステムはパソコンよりも100万倍も速いのです」と、独立行政法人産業技術総合研究所局長、関口智嗣氏は話す。

関口氏はパソコンが現在のスーパーコンピューターが1日に動作出来る領域に達するのには、3,000年もの月日がかかるだろうと語った。

サイズに関しては、日本のスーパーコンピューターは30～40台ほどの車を駐車出来るパーキングに匹敵する大きさなのだという。

「現在開発しているスーパーコンピューターは、フロアの1,000平方メートルほどの大きさになるでしょう」と関口氏。

何のために使用されるのか？

ABCIは自動運転の車、あるいはロボット工学、医療診断などを行う日本企業で使うことが出来るのだと関口氏は語る。

「スーパーコンピューターはこれらの産業の発展を加速させるためには非常に重要なツールです」と言う。

この超音速のスピードはまた、ディープラーニングのような人工知能技術の発展にも活かすことが出来るだろう。しかしスーパーコンピューターは毎日の小さな発明などにも運用されているのだ。

「紙おむつの初期デザインは元々スーパーコンピューターで行われていました」と関口氏。そして「しかしながら、世の母親たちはそのことを知らずに使い続けています」と話す。

将来への投資、$173億

経済産業省はABCIの開発および2つの研究所を設立するのにおおよそ193億円（$173億）ほど掛ける見込みとなっている。

「政府は、人工知能が将来の鍵、あるいはその産業競争で勝っていくための鍵となることを理解しているのです」と関口氏は語った。

日本企業は大きな数字を処理しようとするとき、MicrosoftやGoogle、Amazonのようなものを頼ることが多い。しかし一度動き出してしまえば、日本の研究者や企業はAmazon Web ServiceやAmazon Azureなどのパブリッククラウドのサイクルを借りるのではなく、ABCIを使用するために支払うことが出来るようになるだろう。

頂上決戦

ちょうど10ペタフロップスで作動している日本のスーパーコンピューター京は、2011年、6ヶ月のみ最速のスーパーコンピューターとして名を残した。米国や中国がこれを塗り替える前の話だ。

しかし関口氏にとって、最速のスーパーコンピューターを開発することに関しての競争ではないのだという。

「以前は、コンピューター産業自体に競争というものがありましたが、これからは競争ではなく、コンピューターで何が出来るかという問題になってくると思います」と関口氏は語る。

また、「もうどのコンピューターが世界で一番かということではないのです。寧ろこれらのアプリケーションが正しく使用出来る環境を作ることに重点が置かれるでしょう」と話した。

■引用元
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