1980年代の日本人アーティスト田名網敬一さんの作品が海外で注目を浴びていました
概要
まるで幻覚のような作品を次々と創り上げる、ポップアートの巨匠田名網敬一
田名網敬一氏は第二次世界大戦後の1960年代初め頃の日本で、人々の怒りによって生み出された東京発の”ネオダダムーブメント”の一端を担っていました。
ネオダダオーガニゼーションの一部としてこのアートムーブメントに参加していた芸術家たちの当時の目標は、”芸術とゲリラ戦争の間に浮遊する作品”を創り上げることでした。
田名網氏自身は第二次世界大戦中の1942年に始まったアメリカ軍による東京大空襲の生存者の一人で、(200,000人に及ぶという説もありますが)100,000人以上もの民間人の命を奪ったこの空襲を生き抜いた彼にとって、この戦争はとても深い影響を与えるものでした。
この戦争での恐怖体験の一つに、彼の父親が飼っていたペットの金魚の変わり果てた姿が彼の記憶の中に残っています。
近隣地区が破壊された後、彼の家族と防空壕から家に戻った際に彼が目にしたのは、水槽の中を泳ぎまわる変形して歪んだあの金魚でした。
この光景は、田名網氏によると彼の子供時代を奪ったかのような、そのくらい壮絶なものだったのです。
幸運にも、田名網氏は彼の悲しみ、怒り、喪失感を彼の輝かしい経歴に繋げることに成功しました。
彼の母親や彼の家族の大多数が、高校卒業後に芸術への情熱を見つけこの職業を選んだ彼の選択に断固反対だったにもかかわらず、彼は日本の最も愛されたポップアーティストとしてその地位を確立しました。
彼はすぐに出版メディアの方で職を見つけ業務をこなす一方、大学にも通っており、それが後に彼が先駆的グループJACC(日本広告芸術クラブ)と仕事をするきっかけになったのです。
田名網氏のポップアートの影響は顕著に表れており、彼の初期のころの作品はポップ的要素のあるエロチシズムが中心的なテーマでした。
そして1975年に月刊PLAY BOYと呼ばれるPLAY BOY Magazine日本版の一番最初のアートディレクターとなった後に、彼は大きな幸運を掴むことになります。
(田名網氏のウェブサイトにある彼の経歴一覧によると)PLAY BOYのニューヨーク本社への出張の際、現地の雑誌の編集者(おそらくHuge Hefner氏のことだと思いますが)が田名網氏を”The Factory”という名のAndy Warhol氏の伝説的なスタジオに連れて行きました。
この経験と共に、アンダーグラウンド・コミックスの代表格でもあるR. Crumb氏も彼の進化するアートスタイルに影響を与えましたが、彼のスタイルを形作った出来事はこれだけではないのです。
80年代まで田名網氏はいまだ働いてはいましたが、その一方で一日中酒を飲むことを習慣化させていきました。
この生活習慣によって彼は4か月入院することになり、回復のために服用していた薬の組み合わせで彼は幻覚を見るようになりました。
後に回復はしましたが、この幻覚体験は限界に挑戦するような彼の作品創作において非常に大きな役割を果たすことになります。
現在80歳となった田名網氏の圧巻の作品は世界中の美術館で展示されています。
また”Keiichi Tanaami: Spiral”や”Keiichi Tanaamo: Killer Joe’s Early Times 1965-73”など、彼の作品は本としても出版され、この中にはコラージュ作品や彫刻なども含まれており、彼の人生の中の様々な時代を称えたものとなっています。
このDangerous Mindsの読者の中には芸術に傾倒している鋭い方々がいらっしゃるかもしれませんが、もしかしたらそういった方々は田名網氏の作品をSuper Furry AnimalsやJefferson Airplaneのアルバムのカバーで目にしたことがあるのではないでしょうか。
ここには田名網氏のアルバムアートだけでなく、彼の超カラフルなサイケ調の作品も多数載せておきました。もしかしたらこの中には職場で閲覧するのには少し不適切なものも含まれているかもしれません。
すべての作品はこちらで見れます
■引用元
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海外の反応
・Peter Maxを思い出させるような作品だね
・どれも素晴らしいね!
・すごくかっこいいよ
・彼は80年代のレジェンドだね。今日生きている一流芸術家の中の一人だよ。
・サイケデリックだね
・どの作品も個人的に凄く好きだなー
・どれも好き!
・とても奇抜だね
・狂気じみてるけど色使いがいいね!
・Yellow Submarineに似てるけどもっと深いと思う。特にこの背景に存在する彼の物語を知った後だとね。
・彼がもしDoom Patrolを描く芸術家だったら、いい作品を描いていただろうね。
・とても素晴らしいね
・Heinz Edelmannに彼はかなり影響を受けているね。それかその逆で彼が影響を与えたのかもしれない。
・これらの彼の作品からはYellow Submarineと似たような印象を受けるね
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コメント
翻訳元の作例は少しサイケに過ぎるけど
商業デザインは引き算されていて本当にしゃれている。
ウチにも田名網敬一の仕事って本どこかにあったはずなんだけどな。
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